【現代インド・南アジア次世代研究者合宿 受講生研究発表】発表者:杉本浄

現代インド・南アジア次世代研究者合宿

氏名:杉本浄(東海大学)
発表タイトル:「現代を歴史化することの違和感と「現代史」への接近」

発表では現代史ならびにインド「現代史」に接近するために、現代を研究対象とすることへの違和感を問い、さらにいくつかの現代史の事例を検討しながら、その接近方法について考察した。

発表者はこれまでインド近代史を専門とし、ある一定程度の研究対象への距離感を保ちつつ、複数史料の扱える研究テーマを選んできた。この距離感は空間的・時間的な距離を示すだけではない。生理的・精神的な距離でもある。現代を研究対象とすることは、扱う史料の違いや方法論の違いだけでない、生理的な違和感を伴うやっかいな行為なのである。

この違和感を見つめ、さらに「そこから」発展していくために、発表では「現代インド地域研究」で見られる「現代史」および歴史の現れ方に触れ、続いて現代史とは何であるのかを問うた。最後に発表者が専門とするインド・オディシャー州の「現代史」の試みを取り扱った。

また、パネルのテーマである「自由化」による変化については、現在研究テーマとするオディシャー州西部での鉱山開発とその地域で復活した州創設運動に触れる中で検討した。

質疑および議論では、発表の冒頭で触れた現代史の区切りをこれまでの1947年の独立後から1991年の経済自由化前後に移すことができると言う仮説に対して意見が取り交わされた。この場合、独立後から90年代以前は「近代史」に含まれることになるが、冷戦時代の終焉などといった世界史との連動や長期的歴史的視座から、この歴史的な区切りの変更が可能であろうと提案したが、いまだ根拠に乏しくことが議論を通じて明らかになったので今後の課題としたい。

»「現代インド・南アジア次世代研究者合宿」2012

パーマリンクをブックマーク

コメントは受け付けていません。