【現代インド・南アジア次世代研究者合宿 受講生研究発表】発表者:小野道子

現代インド・南アジア次世代研究者合宿

氏名:小野道子(UNICEFパキスタン事務所)
発表タイトル:「パキスタン、カラチにおけるバングラデシュ移民」

  私の報告は、「パキスタン カラチ市の路上で生活/働く移民の子どもたちーバングラデシュ移民の子どもたちのアイデンティティの考察」と題して行った。本報告は、2009年に、報告者がInstitute Universitaire Kurt Bosch/University of Fribourg の修士論文として提出した ‘Migrant Children on the Streets of Karachi with Special Focus on Children of Bangladeshi Origin’ (英文)を基に、分析の手法として用いた「Child Street System」のフレームワークの中の「アイデンティティ」の要素から見えて来た考察を、特にエスニックアイデンティティに焦点をあてて、パキスタンの最大都市であるカラチ市に住む、バングラデシュ系移民を中心とする路上で生活/働く移民の子どもたちのアイデンティティのあり方としてまとめた。まずは、「移民(Migrant)」、「路上で生活/働く子ども(Children living and working on the streets)」、「バングラデシュ系移民の子どもたち(Children of Bangladeshi origin)などの用語の定義について説明し、パキスタンの子どもたちの現況、特に路上で生活/働く子どもたちの現況について簡単に報告を行った後、パキスタンで最大の都市であり、かつ最大の移民人口を抱えるカラチ市の現況と移民の人々の現状を特にバングラデシュ移民の現状に焦点を当てて発表した。事例として、最大のバングラデシュ系移民人口を抱える「マチャール コロニー(Machar Colony)」の概況を説明し、フィールド調査の結果から見えてきたバングラデシュ移民の子どもたちの特徴、とくにアイデンティティについて、フィールド調査の結果を報告した。全体の討論テーマである、「特定のアイデンティティが強調され、社会運動、政治運動となって先鋭化することがありえるのか?」という問いに対しても、本テーマから考えられる考察を加えた。参加者からは、もう少し制度(移民の子どもたちの選挙権や市民権の問題など)について深く調べる必要がある、路上で働く/生活する子どもたちは、フィールド調査でアクセスすることが難しいので、ドロップインセンターに立ち寄る子どもたちへのインタビューで論文をまとめるよりも、マチャール コロニーなどの居住区でのインタビューのほうが、より深い研究になるのではないかなど、有意義なコメントを得た。コメントをくださった方々には、この場で感謝を表したい。

»「現代インド・南アジア次世代研究者合宿」2010

パーマリンクをブックマーク

コメントは受け付けていません。