【現代インド・南アジアセミナー 受講生による講義記録】講師:山下博司

現代インド・南アジアセミナー

講師氏名:山下博司「娯楽としての映画、産業としての映画―グローバル化のなかのインド映画をめぐって―」
【報告者氏名】相川愛美(デリー大学)

 本本講義は近年インドにおける映画の現状と変容を、「娯楽」と「産業」の視点から考察したものである。特にタミル映画に注目し、地域アイデンティティの「よすが」となりうる地域言語による映画とその産業が自ら存立し得る「ニッチ」(生態的地位)を見出しているという現状が示された。 タミル映画の内容は元来タミル人としてのアイデンティティが強調されていた。しかし80年代以降グローバル化が進み、視聴者の多様化によって、タミル映画は「タミル的要素」を控える傾向が生じた。これは、制作側が映画市場マーケットの規模や特性、予算を検討し、多様な映画作りが行われているという実情があった。そしてタミル映画にかかわらずインド映画界においてもグローバル化の影響を受け、それらの映画内容はテーマ性の重視への移行や外国的要素の取り入れなどの様々な点で変化が生じているということが示された。また、これらの制作本数は増加傾向にあり、その要因として制作プロセスにおけるデジタル化などが挙げられた。 質疑応答では現代の映画産業における日本との比較、タミル映画における英語使用の意味、インドの映画館事情、そして地域ナショナリズム的な映画内容の規制やそれが与える社会的現象の有無などが議論された。

»「現代インド・南アジアセミナー」2014

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