【現代インド・南アジアセミナー 受講生の感想(五十音順)】

現代インド・南アジアセミナー

氏名:阿部麻美(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

今回東京外国語大学で開催された平成25年現代インド・南アジアセミナーは、自身にとって大きな刺激であった。3日間のセミナーは講師による講義と受講生による研究発表によって構成され、講義は1日目と2日目の午後に、研究発表は2日目の午前および3日目の午前と午後に行われた。一般に公開された講義は、専門的でありながら広く開かれており、その内容に純粋に惹きつけられると同時に自身の研究に振り返り自省を促されるものもあった。非公開で行われた研究発表では、各受講生の研究が真剣に議論され、建設的な質疑が交わされた。自身の発表では、抜け落ちていた視点や新たな視座、より慎重に考察すべき点などを与えて頂いた。深く感謝いたしたい。

 

氏名:枝川未来(広島大学大学院国際協力研究科)

まだ報告会やセミナーの経験が少ない自身にとって、本セミナーは、大変貴重な経験となった。私は文化人類学を専攻しているが、本セミナーではさまざまな分野の方々の報告を聞かせていただくことができ、全く違った視点から南アジアという同じフィールドを捉える機会であり、どれも刺激的で興味深いものであった。本セミナーに参加し、私が強く感じた点を二点挙げる。一点目は、語学力の重要性である。多くの報告で、現地でのインタビュー調査が用いられており、人類学に限らず、英語はもちろん現地語も習得する必要があることを感じさせられた。もう一つは、指摘・質問の重要性である。私は、参加者の的確な鋭い指摘や質問に圧倒され、なかなか自ら発言することができなかったことを反省する。質問や指摘を受けることは、報告者にとって大変勉強になることであり、また、的確な指摘や質問をするということは、報告者の報告をしっかりと把握し、整理し、まとめ、発言する能力が必要であり、する側にとっての勉強にもなることを改めて感じた。
恥ずかしながら、私は研究テーマがまだはっきりと定まっていないが、さまざまな分野の方々の報告を聞けたことは、本当に貴重な経験となり、常に広い視野で物事を考えるということを教えていただいた。この機会は、今後、研究をしていく中でも常に心に留めておきたいことであると感じる。また、3日間同じ方々と過ごせたことで、お話しをさせていただく機会も多かったことから、同分野はもちろん他分野の方々と交流することができ情報交換ができたことにより非常に参考になることが多かった。
中でも、間報告「ガーンディー晩年における「宗教」と「世俗」:サッティヤ、アヒムサー、そしてブラフマチャルヤ」(受講生発表)は、ガーンディーについて関心があった私にとって印象的であった。間の報告は、ガーンディーの宗教概念に着目した内容であった。ガーンディーが[根本]宗教であると考えていた「アートマーの観点[或いはパラマートマー、良心、内なる心]に従った論理」の独自性を知ることで、Sangariらのネルー主義的「変遷」説に陥ることなく、ガーンディー晩年の世俗主義と宗教政治との思想的関係を説明することが可能となることを主張する報告であったと把握する。私が関心を持っているガーンディーへのアプローチは、ガーンディーの非暴力思想に着目し、その思想の現代社会における可能性を追求するものであり、現代のガーンディー主義者に焦点を当てているが、間の報告は、ガーンディーの宗教概念に着目し、非常に深いところまで調査されており、私が把握していたガーンディーの思想は本当に表面的なものだけであったことを痛感させられ、ガーンディー研究の奥深さを改めて感じさせられた。
本セミナーでは、多くのことを学ばせていただいた。この経験を今後の研究に生かし、日々広い視野を持ち、研究に打ち込みたいと考える。今回は、このような貴重な機会を与えていただいたことに感謝し、報告とする。

 

氏名:鹿毛理恵(佐賀大学経済学部客員研究員)

まだ報告会やセミナーの経験が少ない自身にとって、本セミナーは、大変貴重な経験となった。私は文化人類学を専攻しているが、本セミナーではさまざまな分野の方々の報告を聞かせていただくことができ、全く違った視点から南アジアという同じフィールドを捉える機会であり、どれも刺激的で興味深いものであった。本セミナーに参加し、私が強く感じた点を二点挙げる。一点目は、語学力の重要性である。多くの報告で、現地でのインタビュー調査が用いられており、人類学に限らず、英語はもちろん現地語も習得する必要があることを感じさせられた。もう一つは、指摘・質問の重要性である。私は、参加者の的確な鋭い指摘や質問に圧倒され、なかなか自ら発言することができなかったことを反省する。質問や指摘を受けることは、報告者にとって大変勉強になることであり、また、的確な指摘や質問をするということは、報告者の報告をしっかりと把握し、整理し、まとめ、発言する能力が必要であり、する側にとっての勉強にもなることを改めて感じた。
恥ずかしながら、私は研究テーマがまだはっきりと定まっていないが、さまざまな分野の方々の報告を聞けたことは、本当に貴重な経験となり、常に広い視野で物事を考えるということを教えていただいた。この機会は、今後、研究をしていく中でも常に心に留めておきたいことであると感じる。また、3日間同じ方々と過ごせたことで、お話しをさせていただく機会も多かったことから、同分野はもちろん他分野の方々と交流することができ情報交換ができたことにより非常に参考になることが多かった。
中でも、間報告「ガーンディー晩年における「宗教」と「世俗」:サッティヤ、アヒムサー、そしてブラフマチャルヤ」(受講生発表)は、ガーンディーについて関心があった私にとって印象的であった。間の報告は、ガーンディーの宗教概念に着目した内容であった。ガーンディーが[根本]宗教であると考えていた「アートマーの観点[或いはパラマートマー、良心、内なる心]に従った論理」の独自性を知ることで、Sangariらのネルー主義的「変遷」説に陥ることなく、ガーンディー晩年の世俗主義と宗教政治との思想的関係を説明することが可能となることを主張する報告であったと把握する。私が関心を持っているガーンディーへのアプローチは、ガーンディーの非暴力思想に着目し、その思想の現代社会における可能性を追求するものであり、現代のガーンディー主義者に焦点を当てているが、間の報告は、ガーンディーの宗教概念に着目し、非常に深いところまで調査されており、私が把握していたガーンディーの思想は本当に表面的なものだけであったことを痛感させられ、ガーンディー研究の奥深さを改めて感じさせられた。
本セミナーでは、多くのことを学ばせていただいた。この経験を今後の研究に生かし、日々広い視野を持ち、研究に打ち込みたいと考える。今回は、このような貴重な機会を与えていただいたことに感謝し、報告とする。

 

氏名:杉江あい(名古屋大学大学院環境学研究科)

今回のセミナーでは「1日が長い」,「地獄の3日目」という声もあったが,私にとっては,この3日間はとても楽しく,また南アジアの専門的な知識の不勉強さを改めて実感した濃密な時間であり,あっという間に過ぎてしまった.これはもちろん,気さくに声をかけてくださった運営委員,受講生の方々のおかげでもあり,改めて感謝の意を表したい.先生方の講義はもちろん,受講生の方々の発表も非常に興味深いものが多かった.自分の研究テーマや対象地域,専攻に関することではなければ,的外れなことを言ってしまったとしても容赦していただけるのではという甘えもあり,質問することができた.しかし,自分の研究に関連する講義や発表になると,じっくり考えなければうまく考えをまとめられず,自分の中でもクリアにできていない中途半端な状態のままに過ぎてしまい,手を挙げることができなかった.限られた時間の中で質問をする訓練の必要性を感じた.また,他の学会等との日程の関係で受講のみの参加になったが,多くの受講生,先生方に自分の発表を聞いていただけるとても貴重な機会なので,次回参加できるときにはぜひ発表してみたいと思った.

 

氏名:間 永次郎(一橋大学大学院社会学研究科)

2011年度の南アジアセミナー受講に加えて、今回のセミナーは私にとって二度目の体験であった。講義と受講生の研究発表から成る本セミナーは、地域研究、経済学、人類学、宗教学、歴史学、政治学と、まさに多岐の学問領域に跨がる豊かな学際的内容を持っている。講義に関しては、他分野を研究する受講生を考慮した丁寧な説明がなされていたので、どれも興味深く、浅学な私にとっても大変勉強になった。また、受講生による研究発表も思想史を専門にしている私としては、多くのインスピレーションを受ける内容のものであった。大変貴重な体験を改めてさせていただいたことに対する深い感謝の意と共に、以下に、大きく講義全体についての若干の感想を述べたいと思う。
それぞれの講義の内容はまさに、オリジナリティに富むものであり、特定の専門研究領域を持つ受講生としては、それらの一つ一つを、如何に自身の研究における問題意識と総合的に接合させていくのかが問われたように思った。南アジアの諸地域に関するミクロなレベルの研究も、その研究の内容を帰納的に推論していけば、しばしば他領域にも関わる大きな問題テーマへと結び付いていく。このように考えるならば、今回のセミナーにおける講義全体から自分は大きく何を学んだと言えようか?私はこれらの中から、特に、方法論的観点から、「(putative)個別性」と「(putative)普遍性」といった研究者側からの研究対象に対する着眼点における認識的「ズレ」とされるであろうものが必ずしも両立不可能ではないことを学んだように思った。これは、私自身の感覚的な印象でしかないが、数値的な実証研究の重要性は言うまでもないが、より大きな歴史的視座に基礎付けられた歴史認識の解釈学的作業もまた、「現代南アジア」に対する理解の幅を広げていく上で必要不可欠な事であると感じさせられた。
講義に比べ、受講生による研究発表は、圧倒的に地域研究と人類学の研究が主流を占めていたように思われた。私のような思想史研究者からは方法論的にも、問題意識の持ち様にしても、学ぶところが多かった。特に、独立後のインドにおける諸問題と、如何に自身の研究内容を結び付けていくのかは、私自身にとっての今後の重要なテーマの一つであったので、このような他領域の研究者の発表を拝聴させていただいたことで、改めてその必要について再考を促させられた次第である。

 

氏名:水上香織(東京大学大学院人文社会系研究科)

今回のセミナーでは、様々なディシプリンの発表や講義を聞く中で、結局どのディシプリンで取り組んでいても研究の落としどころ・結論の付け方というのは難しいものだということを強く感じた。
特に、現代のある地域を研究対象とする場合に、観察された事象を安易に現代社会変動(グローバル化、経済成長、都市化など)の影響で見られた地域的変化であると結んでしまうことに危うさを感じた。変化が起こっている原因は本当に「現代性」や「地域性」に求め得るものなのか、研究の書き手も読み手も慎重に見定める必要があると感じた。
一方で、研究の落としどころとは、研究の書き手が自分自身のアイディアや視点の持ち方によって魅力的に成形し得る部分でもある。たとえば藤倉先生の講義で示されていたような、ある事象に対して意識的に様々な角度から迫ってみようとする試みは、魅力的な研究の落としどころを見つけ出そうとする際に鍵となってくるように思った。今回のセミナーで学んだことを心に留めながら、今後も精進していきたい。

 

氏名:吉沢加奈子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

現代インド・南アジアセミナーへの参加は今回が初めてであったが、非常に濃密で有意義な時間を過ごすことができた。自身の研究において強化すべき点を明確にし、新たに取り入れるべき点についての示唆を得ることができた3日間であった。セミナーの内容全体は特に私のように地域研究を専攻する院生や、まだ研究領域を定めていない学部生にとって様々な分野の専門家による南アジアの現代の捉え方を垣間見ることができるまたとない機会であったと思う。また、既に特定の分野で研究を進める若手研究者にとっても、学際的な視野を広げる格好の場であったと思われる。
講義は、専門外の者や若手研究者を意識したわかりやすい説明で進められたが、各分野の専門家の方々の最新の研究内容は私にとって理解しづらい点もあった。しかし、先生方は質疑応答だけでなく、休憩時間や懇親会にも惜しみなく研究動向やご自身のフィールドでの経験をご教授くださった。受講生の研究発表では、実行委員の方々が討論を導くことで、限られた時間内に様々な視点からの意見が交わされ非常に建設的な議論の場となった。私を含め、発表した受講生は皆、自身の発表の課題が浮き彫りになり、またそこにいかに向かっていくかについて重要な助言をたくさん得られたことと思う。他大学の受講生との交流を通して、フィールドワークの手法について知見を深めることができたのも大きな収穫であった。このようなセミナーで発表を行うことは私にとっては分不相応であり、勇気のいる試みであったが、今後の研究を進めるうえで非常に重要なコメントをたくさん得ることができたばかりか、暖かい助言の数々によってモチベーションを高めることもできた。一方、討論の場において私自身は他の受講者に対し有用な発言ができなかった点を反省しており、今後は有益なコメントや議論ができるよう、自己研鑽に励みたいと考えている。

 

氏名:渡部智之(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

今回のセミナーは、講師の先生方、若手研究者、大学院生が集まり、三日間にわたり南アジア・インドに関する議論が展開された。セミナーは、学問領域を問わず議論がなされ、自らの研究領域、手法などを客観的に問い直す貴重な場となった。このような場に参加できたことに加え、自らの研究発表にも様々なコメントを頂けたことは非常に幸いであった。
セミナーでの先生方の講義および受講生の発表は、多分野にわたり、他の研究領域の研究に関しては理解するのに苦労する部分もあった。しかし、セミナーでは質疑応答時間が多くとられていたことから、質疑応答を通じて理解を深めることができた。全体を通して、様々な専門分野における調査データの提示方法を学べたことが、私自身にとって糧となったと考えている。
本セミナーは、幅広い視点から南アジア・インドについて学び、自らの狭い視野を押し広げる良い機会となったことに加え、南アジアの研究者や大学院生と交流することができ、非常に有意義な時間であった。

 

 

»「現代インド・南アジアセミナー」2013

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