大東文化大学所蔵のインド・南アジア関連資料

大東文化大学所蔵のインド・南アジア関連資料2016-03-20T14:09:27+09:00

  大東文化大学は1923年(大正12年)に「漢学振興」を目的に設立された旧制専門学校「大東文化学院」を前身とする。
  第二次大戦後、「東西文化を融合し新しい文化の創造を目ざす」という建学の精神の下、新制大学として大東文化大学が発足した。旧制専門学校時代からの東洋・アジアへの志向は連綿と続いてきたが、他方東西文化の「東」は日本と中国に限定されたものであった。「東」の領域が日本と中国以外に拡大するのは、1986年(昭和61年)の国際関係学部開設を待たねばならない。
  本学国際関係学部の教育研究の対象は、アジア地域に特化している。アジア域内を東、東南、南、西の4地域に分けている。南アジア地域としては対象国をインドとパキスタンに設定し、言語はヒンディー語、ウルドゥー語を学ぶ。インドではジャワーハルラル・ネルー大学、パキスタンではパンジャーブ大学と協定関係を構築し、語学研修とフィールドワークを目的に3週間程度両国の各大学に現地研修に赴く。
  国際関係学部が設置されている本学東松山キャンパス(埼玉県)にある本60周年記念図書館が所蔵するインド、南アジアに関する図書資料は、その多くが本学部南アジア地域担当の教員が各自の研究の中で、海外研究、海外出張、および現地研修の引率に赴いた折にこつこつと現地で入手したもの、あるいは図書館での図書購入に際して見計らい・選書に主体的に関与したものである。それらの書誌データは全て教員自身が地域言語からローマ字翻字を行った。正しく南アジア地域担当の教員自身によりもたらされたコレクションである。

コレクション紹介

60周年記念図書館「ラース・ビハーリー・ボース関係資料」
  • 対象地域・国  インド
  • 内容  ボースという名をもつ、インドの二人の独立運動家のうち「中村屋のボース」とも呼ばれるラース・ビハーリー・ボースに関する資料である。本図書館において、全て準貴重書扱いになっている。
    本図書館がボース関係資料を所蔵するに至ったいきさつは次の通りである。
    2000年の春、長期海外研究でインド(ジャワーハルラル・ネルー大学)に滞在していた本学国際関係学部南アジア地域担当の教員のもとに、ニューデリーの独立記念館に展示するボースの遺品の提供と、独立記念公園に建てる銅像の序幕式への出席を日本に住む遺族の方に頼んでもらえないかとの依頼があった。帰国後、同教員が遺族(令嬢の樋口哲子氏)の元を訪ねこのことを伝えたが、ご高齢でインドに行くことは叶わぬとのことであり、遺品はほとんどカルカッタの記念館に寄付していたので手元に差し上げられるようなものはもうないとのことであった。ただ、疎開させておいて空襲を免れた一部の書物や写真は残っているが、お子様方はそれらを今後保存する積りは無いようである。今後どうなるのか気掛かりだが、場合によっては廃棄しなければならないかも知れないと述べられた。同教員がそれらを拝見させていただいたところ、書物や写真が数個の段ボール箱や衣装ケースに入れられており、書物にはボースの日本語による著作、中村屋店主相馬愛蔵の妻相馬黒光の著作、英文の冊子などの他、ボースが日本語を学んだテキストがあり、中に朱で丁寧に注が書き込まれている。写真はボースの当時の活動を伝えるもので、色々な場所での会合や講演をした時のものが多く、ボース以外にもインド人が写っており、当時のボースと活動を共にしていた在日インド人と看て取れた。また、ラビンドラナート・タゴールに関係したベンガル語の書状もあり、その資料としての価値に直観を抱かざるを得ないものばかりであった。樋口哲子氏に本学でこれらの資料をお預かりしてもよろしいでしょうかとお尋ねすると、二つ返事で快諾していただけた。
    2001年、正式に本学60周年記念図書館にて譲り受けることになった。
    ボースは本学の前身である大東文化学院に講演で訪れたことがあり、その際学生たちにインド独立の支援を呼びかけた。本学においてボースの資料を所蔵できるようになったことは、不思議な縁を感じさせるものである。ご令嬢樋口哲子氏のご厚意に報いるためにも、日本の近現代史研究にとって貴重なボースの資料を多くの人々の利用に供していきたい。
    ラース・ビハーリー・ボース関係資料は全部で526点あり、そのうち多い順に、296点が写真、76点が書簡(ハガキ・手紙)、60点が書籍、44点が原稿等・新聞、35点が宮内大臣からの観桜会招待状等の資料、13点がノート類、2点がその他の資料(大禮新聞團の腕章および通行券)である。
    写真の中には、大川周明との集合写真、吉田茂、安岡正篤も写っている崔麟歓迎会記念撮影、東条英機祝賀会、印度独立委員会発会式記念、ボース肖像、頭山満との集合写真、インド人同志と写したもの、ボースと俊子夫人、犬養毅とのもの、タゴールを囲んでのもの、中村屋での記念写真、そして大東文化学院亜細亜会でのものと多種多様である。
    書簡は、ボース [宛] / 犬養毅 [差出]、ボース[宛] / 浜口雄幸 [差出]、ボース [宛] / 頭山満 [差出]、ベンガル語のタゴールからの書簡、ボース [宛] / 大川周明 [差出]等がある。
    書籍は、ボースの日本語と英語による著作。日本語著作には共著、訳著もあり、見返しに「防須」印がある。他に、ボースが日本語を学んだ、書き込みの入った尋常小学校読本がある。
    原稿等・新聞は、スパシ・チャンドラ・ボース来日時の挨拶原稿。日本新聞への「支那時局の進展と黄白両人種対陣の形勢」投稿記事。東京日日、時事新報、東京朝日、国民新聞での「俊子夫人追悼記事」等がある。
    ラース・ビハーリー・ボース関係資料の内、写真は本学機関リポジトリへの登録を計画している。なお、本学OPACの検索枠にそのまま「ラース・ビハーリー・ボース関係資料」と入力するか、詳細検索にて「請求記号」を選び、検索枠に「BS/*」と入力することによりタイトルを総覧することが可能である。なお、準貴重書扱いのため、閲覧には直接本学60周年記念図書館に来館していただく必要がある。
60周年記念図書館「地域言語コーナー」資料
  • 対象地域・国  南アジア、東南アジア、西アジア
  • 内容  60周年記念図書館「地域言語コーナー」が所蔵する資料は、1986年本学国際関係学部開設以来同学部教員の手により蒐集されてきた。各教員が研究の過程で入手してきたもので、その内の南アジア地域言語資料は、インド共和国を中心とする南アジア地域で用いられている諸言語で著されたテキストにより構成されている。
    テキストの言語は以下に分類される。南アジア地域で用いられている言語のうち印欧語族では、ヒンディー語、ベンガル語、マラーティー語、ウルドゥー語、グジャラート語、オリヤー語、パンジャーブ語、マイティリー語、アワディー語、アッサム語、カシミール語、シンディー語、サンスクリット語、パーリ語、ラージャスターン語、ブラジ(ブラジバーシャー)語。トラヴィダ語族ではテルグ語、タミル語、カンナダ語、マラヤーラム語のものがある。本南アジア地域言語資料では、言語を「ヒンディー語」と「ウルドゥー語」に大別している。上記の言語の内ウルドゥー語以外のものはヒンディー語内の言語に位置付けられている。
    2013年11月現在、「ヒンディー語」・「ウルドゥー語」の大別では、「ヒンディー語」4,359点、「ウルドゥー語」1,031点を所蔵している。「ヒンディー語」の内、印欧語族では、ヒンディー語4,075点、ベンガル語62点、マラーティー語64点、グジャラート語25点、オリヤー語19点、パンジャーブ語27点、マイティリー語1点、アワディー語1点、アッサム語6点、カシミール語1点、シンディー語2点、サンスクリット語17点、パーリ語1点、ラージャスターン語1点、ブラジ(ブラジバーシャー)語3点。トラヴィダ語族では、テルグ語7点、タミル語13点、カンナダ語22点、マラヤーラム語12点を所蔵している。前述の通り、ウルドゥー語は1,031点を所蔵している。
    本学OPACの検索画面の詳細検索にて「請求記号」を選び、検索枠にヒンディー語は「ZH/*」、ウルドゥー語は「ZU/*」と入力することにより候補資料を表示させ、画面左側「関連項目」中の「言語」から言語コードを選択することにより当該言語テキストのタイトルを総覧することが可能である。なお、ヒンディー語「ZH/*」内のウルドゥー語、英語および非南アジア言語の言語コードは、当該言語で書かれた著作のヒンディー語版のテキストであることを表す。ウルドゥー語「ZU/*」における非ウルドゥー語言語コードについても同様である。
  • 利用案内
    • 大東文化大学蔵書検索 http://opac.daito.ac.jp/opac/
      • 大東文化大学図書館<板橋図書館、東松山図書館共通>
        http://www.daito.ac.jp/research/library/index.html

        • <板橋図書館>
          〒175-8571 東京都板橋区高島平1-9-1
          TEL:03-5399-7331 FAX:03-5399-7800 Email: lib-all[at]ic.daito.ac.jp
        • <60周年記念図書館(東松山図書館)>
          〒355-8501 埼玉県東松山市岩殿560
          TEL:0493-31-1530 FAX: 0493-31-1531 Email: lib-all@ic.daito.ac.jp
          通常開館 月~金9:00-20:30 土9:00-16:30 
          ※板橋書庫棟 月~金10:00-16:45(昼休み11:30-12:30) 土 休館

          短縮開館 月~金9:00-17:00 土9:00-12:00 
          ※板橋書庫棟 月~金10:00-16:45(昼休み11:30-12:30) 土 休館

          土曜延長開館 9:00~18:30 
          ※板橋書庫棟 休館
        • 開館カレンダー http://www.daito.ac.jp/research/library/index.html

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