資料探訪コラム

資料探訪コラム2019-12-27T12:20:12+09:00

第5回コラム

東京外国語大学拠点「研究資源の収集・構築・公開」

粟屋 利江(東京外国語大学大学院総合国際学研究院・教授/南アジア研究センター長)
鈴木 真弥(人間文化研究機構・地域研究推進センター研究員/東京外国語大学南アジア研究センター・特任研究員)

南アジア地域研究・東京外国語大学拠点(FINDAS)では、現代南アジアの構造変動に関する理解を、重層化・多元化・輻輳化する社会運動の歴史・政治・社会学的分析と文学分析、およびジェンダー視角を軸として深めることを目的として、研究活動を行ってきました。その活動には、東京外国語大学が所蔵する文献・史資料群をさらに充実させる取り組みとして、南アジア地域研究事業の対象研究領域に関する史資料の収集、南アジア文学の翻訳、現地写真のデータベース収集、若手研究者を主とするリサーチペーパーの刊行とウェブ公開などの諸活動も含まれています。

東京外国語大学は、ウルドゥー語・ヒンディー語・ベンガル語を中心に、南アジアの諸言語の教育、および南アジア地域研究に関して明治期以来の長い歴史を有しています。日本における南アジア研究の中核を担う研究者を輩出してきた実績を有し、国内有数の南アジア諸語文献・南アジア関連の文献・史料所蔵の拠点としても貢献してきました。人文科学系の文献資料が幅広く集められ、なかでもヒンディー語、ウルドゥー語をはじめとする現地諸語の図書は日本屈指の点数を誇ります。

東京外国語大学の南アジア研究の推進と研究資源の収集・構築は、南アジア研究センターのみならず、総合国際学研究院大学のもとでの文化と社会に関するより包括的な研究教育、アジア・アフリカ言語文化研究所(1964年附置)、総合文化研究所(1996年附置)、海外事情研究所(1954年附置)、史資料ハブ地域文化研究拠点などを加えた諸組織・機関の協働によって、展開されてきました。

以上を受けて、2010年より始動した当センターのもとで進められてきた研究資源の収集・構築・公開促進に関する活動としては、以下のようなものが挙げられます。

①南アジア文学の翻訳のウェブ公開 160点

雑誌『インド文学』(73点)、『ウルドゥー文学』(45点)、『南アジア言語文化』(19点)で刊行された合計160点の翻訳作品を電子化し、ウェブで公開することにより、これまで以上に多くの人が南アジアの文学作品を知る機会を得られるようになりました。各翻訳は、大学図書館のホームページで、下記のサイトからダウンロードすることが可能です。

「東京外国語大学学術成果コレクション 東京外国語大学拠点 南アジア研究センター」

http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/71785

最近の活動として、2019年度に当センターが招聘したインド人映画監督・俳優ナンディタ・ダース氏の『マント―』上映会は、本邦初公開で、現代ウルドゥー文学を代表する作家サァーダット・ハサン・マントーの生涯を通して「表現の自由」のあり方を問う話題作でした。映画を通してマント―に関心を持たれた方は、上記サイトに翻訳作品が掲載されています。ダウンロードをすることができますので、ぜひご利用ください。

②当センターが独自に刊行した若手研究者によるリサーチペーパー、および各国際会議論文集シリーズ 23点

当センターの活動においては、若手研究者の育成も主な目的として含まれています。調査研究の成果を広く発信する場として、査読付きの「リサーチペーパー」をこれまでに8本を刊行してきました。また、当センターが主催する国際会議の英語論文集も定期的に刊行しております。こちらも、大学図書館および当センターのホームページから、ダウンロードをすることが可能です。

「東京外国語大学学術成果コレクション 東京外国語大学拠点 南アジア研究センター」
http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/89222

「東京外国語大学拠点 南アジア研究センター」
http://www.tufs.ac.jp/ts/society/findas/production

③「小西正捷・南アジア民俗写真データベース」の収集・構築・公開 約6000点

https://southasianfolklore.aa-ken.jp/

本プロジェクトは、立教大学名誉教授・小西正捷(こにしまさとし)氏が撮影してこられた約6000点の南アジアの考古学、文化人類学などに関わる写真資料を精査・編集し、広く研究・教育、社会貢献に資する画像資料の情報資源データベースとして、公開しようとするものであります。

当センターでは2013年度より、小西正捷氏の写真資料、約6000点を受け入れて保存する一方、人間文化研究機構「南アジア地域研究」プロジェクト経費の一部も活用することで、フィルム写真資料の長期保存と研究・活用に資するため、そのデジタル化と資料の年代や位置情報などの関連情報の調査や整理を進めてまいりました。IRC言語文化資料資源化プロジェクトとして公開される本データベースは、FINDASとの連携のもとで、写真アーカイブ資料に関わる関連情報の調査を進め、画像資料の精査と編集を行うことで、南アジア民俗写真データベースとして公開し、その幅広い社会的活用を促進しようとするものであります。

当センターが収集・刊行した全資料は、東京外国語大学図書館に所蔵され、オープンになっています。関心のある方はどなたでも閲覧できますので、ぜひご活用ください。

バックナンバー

No. 作者 タイトル 作成年 PDF
1 脇村孝平 史料へのアクセスから見たインド史研究の今昔 2017.07
2 小川道大 東大拠点「植民地史資料」にみる「インド省記録文書」 2018.02
3 宇根義己 広島大学拠点のウェブ公開:「デジタルアトラス」と「インド地理写真コレクション」 2018.06
4 嵩満也・舟橋健太 龍谷大学拠点「活動の前線の、そして背後の「声」を聴く・残す」 2019.02

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