インド・南アジア 関連資料 2018-05-11T11:24:50+00:00

 

インド・南アジア関連資料の整備について

日本におけるインド・南アジア研究は、長年にわたって広範な分野で進められてきた。しかし、研究インフラとも言うべき関連資料の整備は個別的な対応に留まり、研究者・専門司書・アーキビスト・機関の全国的な連携協力や情報共有も不十分だった。
そこで、こうした事態を少しでも改善すべく、資料整備委員会が設置された。資料整備委員会は、ネットワーク型拠点形成事業という本事業の性格を生かし、日本のインド・南アジア関連資料の効率的・効果的な資料整備を図るべく、当面、次に掲げる事業に取り組む。

1.国内研究機関の所蔵資料に関する情報の共有・公開
日本国内の研究機関におけるインド・南アジア関連資料の所蔵状況について、「コレクション紹介」を中心とした「所蔵機関ガイド」を作成し、ホームページ上で公開する。

2.資料探索・入手に関する手引きの作成・公開
インド・南アジア関連の書籍、とりわけ新刊・近刊書を探索・入手するための情報源のリストを作成し、ホームページ上で公開する。

3.INDAS-South Asiaプロジェクト独自の資料構築の取り組み
「INDAS南アジア写真データベース」プロジェクトを開始する。これは、南アジアを訪れた日本人研究者が撮影・収集した写真の保存と公開を目的として、各拠点に拠点独自の「拠点写真データベース」を構築するとともに、京都大学中心拠点に、それらをまとめて検索できる「INDASメタ情報検索システム」を構築するものである。

資料探索・入手のための情報源リスト(インド・南アジア)

  • ・京都大学所蔵の南アジア関連資料
    インド・南アジア関連の人文科学・社会科学関係資料については日本有数の規模を誇る。
    京都大学におけるインド研究は、長らくインド古典学(1906年「印度哲学史」講座設置、1910年「梵語学梵文学」講座設置)ならびに歴史学(1969年「西南アジア史学」講座設置)が中心であったが、1980年代後半以降は人文地理学や文化人類学からのアプローチが加わり、1998年の「大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)」設置とともに本格的な南アジア地域研究が始まった。大学院アジア・アフリカ地域研究研究科では、「南アジア・インド洋世界論」講座、「持続型生存基盤論」講座、ならびに「南アジア研究センター」が協力し、南アジア関連の図書・雑誌の精力的な収集に努めている。
  • ・東京大学所蔵の南アジア関連資料
    東京大学は日本有数のインド・南アジア関連資料コレクションを持つ。
    東京大学における南アジア研究は、文学部(1901年「梵文学」講座創設、1917年「印度哲学」講座創設、1959年「南方史」講座創設)、東洋文化研究所(1960年「南アジア」部門設置)、教養学部(1973年「アジアの文化と社会」分科課程設置)を中心に行われてきた。ただし、南アジア関連資料の蒐集は、限られた予算のなかでなるべく重複を避け、できるだけ多くの資料を集めることが目的とされた。そのため、コレクションは、上記各部局の図書室に限られず、東京大学附属図書館全体が形作ってきたものといえよう。現在も、インド学、人類学、歴史学、地域研究を中心とした研究・教育体制のもと、資料の継続的な収集と一層の充実が図られている。以下、本欄では特にインド・南アジア関連の資料について紹介する。
  • ・広島大学所蔵のインド・南アジア関連資料
    インド・南アジアを対象とする人文地理学関係の書籍、地図類については日本有数の規模である。
    広島大学は、インド・南アジアにおける地域研究を1960年代から継続的に取り組んできた。学内における資料収集の拠点としては、1975年に発足した「文学部総合地誌研究資料室」や、その後身の「広島大学総合地誌研究資料センター」(地誌研、1986年設置、2006年廃止)があり、人文地理学、自然地理学、農村・農業研究、産業研究などに関する図書・資料、地図類を所蔵している。また、大学院国際協力研究科図書室、大学院文学研究科地理学教室でもインド・南アジアの人文科学・社会科学に関する図書・雑誌等を幅広く収集している。このほか、過去の調査において撮影された資料的価値の高い写真フィルム・映像を多数保管している。このように、『南アジア地域研究』広島大学拠点(広島大学現代インド研究センター)では、旧地誌研の収集資料や学内各所に所蔵されている資料をベースとしながら、南アジア関連の図書・資料の収集に努めている。
  • ・国立民族学博物館所蔵の南アジア関連資料
    国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館機能と大学院・博士後期課程を備えた文化人類学・民族学とその関連分野の研究センターである。1974年の創設以来、大学共同利用機関として様々な学術資料の収集と保存に努め、研究者の利用に供してきた。数年前からは、図書室の利用や図書などの貸出しを一般市民にも開放している。南アジア関連の資料は、文化人類学、言語学、民族音楽学、宗教学、インド学、物質文化研究などをカバーする。とくに、網羅的に収集された文化人類学・民族学の文献図書資料は国内随一の規模をもち、博物館として物質文化の標本資料や映像・音響資料を購入および独自の現地収集や取材を通じて整備している。標本資料の一部は「南アジア展示」において展示という形で公開し、南アジアの文化に対する関心と理解を深める場を提供する。
  • ・東京外国語大学所蔵の南アジア関連資料
    人文科学系の文献資料が幅広く集められ、なかでもヒンディー語、ウルドゥー語をはじめとする現地諸語の図書は日本屈指の点数を誇る。
    東京外国語大学における南アジア研究は、1908年に設置された東洋語速成科(修業年限1年)においてヒンドスタニー語、タミル語の科目が授業されたことを嚆矢とし、1911年のヒンドスタニー語学科とタミル語学科の新設とともに本格化した。語学科はその後数度の再改編を経て、2011年10月現在、ヒンディー語とウルドゥー語の2専攻が南アジア諸語の専門的な教育研究のために設けられている。当初は語学教育・研究が中心であったが、現在では総合国際学研究院のもとで文化と社会に対するより包括的な研究教育を推進する体制が構築されている。また、アジア・アフリカ言語文化研究所(1964年附置)では、臨地調査を交えつつ、主に言語学、民族学、歴史学・地域研究からの南アジア研究が展開されている。これらに地球社会先端教育研究センター史資料ハブ地域文化研究拠点、南アジア研究センターなどを加えた諸組織・機関の協働により、南アジア研究の推進とそれに必要とされる研究資源の収集・構築が試みられている。
  • ・龍谷大学所蔵のインド・南アジア関連資料<
    龍谷大学は1639年に真宗教学の研究と人材育成のために西本願寺境内に設立された学寮を前身とする。以来370年間、一貫して仏教を柱とする研究教育活動が続けられている。その仏教研究をとおして育まれたインドへの憧憬は、大谷光瑞(1876-1948)が組織したいわゆる「大谷探検隊」の動きと軌を一にする。1949年、学術探検による将来品は大学へ寄贈されることとなり、以後、仏教発祥の地インド・南アジアへの好奇心は、現在の本学における教育研究組織へと引き継がれてきた。2001年に発足した「古典籍デジタルアーカイブセンター」は、インド・南アジア関連資料を含む大谷探検隊将来品など稀少資料の公開に向けて電子化の取り組みを行っている。また、2010年より発足した「龍谷大学南アジア研究センター(前龍谷大学現代インド研究センター)」は、現代インド研究とインド古典研究の伝統を連動させるという新たな視点からの試みを担い、関連資料収集を行っている。
  • ・アジア経済研究所図書館所蔵のインド・南アジア関連資料
  • ・国立国会図書館所蔵の南アジア関連資料
    南アジア関連の政府系刊行物について日本有数の規模を誇る。
    国立国会図書館(NDL)は、帝国議会に属していた貴族院、衆議院の図書館と1872年設立の帝国図書館を起源とし、国立国会図書館法により1948年に設立された。NDLのサービス対象は、国会(国会議員、国会関係者)、行政及び司法の各部門(政府各省庁及び最高裁判所)、国民(一般利用者、公立その他の図書館、地方議会等)からなる。NDLは東京本館、関西館、国際子ども図書館の3施設から構成され、2011年3月現在、図書970万冊(和漢書710万冊、洋書260万冊)、雑誌・新聞1,430万冊ほかを所蔵している。基本的に国内出版物、洋図書、洋新聞を東京本館、洋図書の一部、洋雑誌、アジア言語の図書・雑誌・新聞を関西館、児童書及び関連資料を国際子ども図書館で保管しており、東京本館の議会官庁資料室、関西館のアジア情報室のように、現代インド・南アジアに関わる主題別専門室も設けている。
  • ・大東文化大学所蔵のインド・南アジア関連資料
  • ・一橋大学所蔵の南アジア関連資料
    一橋大学は、森有礼による私設の商法講習所(1875年)を源流とし、1920年に旧制官立大学として設立されて以降、社会科学の総合大学として研究・教育を推進してきた。このため、社会科学関連の資料を豊富に持ち、その中に南アジアを対象としたものも多く含まれる。また一橋大学には経済研究所(1940年発足)が附置されており、アジア研究部門を含む5つの部門と3つの附属研究施設から構成され、経済学分野の国立大学法人附置研究所としては日本最大規模となっている。
    一橋大学が有する代表的な南アジア関連の資料としては、以下の四つを挙げることができる。(1)経済研究所資料室に所蔵された南アジアに関する統計・歴史資料、(2)1991年に本学附属図書館に寄贈された故深沢宏教授(1931-1986)によるインド経済史を中心としたコレクション (「深沢文庫」)、(3)同じく、附属図書館に所蔵されている、本学(高等商業学校)卒業生の故松本浩一郎氏の記念寄贈図書(「松本文庫」)、(4)その他、本学の南アジア地域担当の教員により各自入手・寄贈された図書、雑誌、政府刊行物等である。これらの多くは、国内で所蔵の少ない貴重な資料であり、自由にアクセスが可能となっている。

インド・南アジア関連新刊近刊書リスト

・No. 1:2012年4月号
・No. 2:2012年7月号

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