第1回INDAS資料整備委員会(2011年2月27日、京大稲森会館小会議室)議事録

第1回INDAS資料整備委員会(2011年2月27日、京大稲森会館小会議室)議事録2011-02-27T20:45:32+09:00

作成者:溜 和敏

本議事録は、ノートテイカーとして委員会に参加した溜和敏(中央大学大学院博士後期課程/INDAS京大拠点グループ3協力者)が原案を作成し、堀本武功・当委員会委員長と石坂晋哉・当委員会事務局長による修正と承認、ならびに当日の出席者全員の承認を経たものである。

1.要旨

当委員会は、現代インド研究の深化と次世代研究者の養成に資するべく、現代インド関連資料に関わる環境整備を行う。来年度からの4年間では、ネットワーク型拠点形成プログラムとしてのINDASの性格を鑑み、資料情報の共有などの情報整備に向けた取り組みを行う。少なくとも当面の間、資料の収集は行わない。なお、当委員会が対象とする資料の時期やエリア、種類について、排他的な線引きは行わないこととした。

当委員会が具体的にどのような資料情報整備を行うかについては、今後の検討課題となった。この点に関する今次委員会の討議は、隣接分野における取り組みの紹介など、様々なアイディアを出し合った。統合的なシステムのプラットフォームの候補として、図書および雑誌に関してはNACSIS-CAT、それ以外の資料(新聞、標本資料など)に関してはNIHU統合検索システムが言及された。また、当委員会としてINDAS内外に誇れる特色ある成果を残す必要性の認識が共有された。

上記方針を踏まえた当委員会の取り組みの第一歩として、以下の2点に早速着手する。第一に、INDASウェブサイト内に「資料整備」という項目を新設し、当委員会の情報発信の場とする。手始めに、堀本委員長と松本脩作氏(大東文化大)が現代インド関連資料をめぐる現状と当委員会の指針に関する文書を作成し、ウェブサイトに掲載する。第二に、11月に予定される次回委員会の開催までに、各拠点校およびアジア経済研究所の保有資料の概要を調査し、簡潔なまとめをウェブサイトに掲載する。

2.委員会における討議の経緯

委員会の方針をめぐる討議に先立ち、4名より関連報告が行われた。はじめに、田辺明生・INDAS総括責任者により、INDASの目的と当委員会の位置づけに関する説明が行われた。INDASがネットワーク型の拠点形成プロジェクトであることと、資料・情報整備がINDASの目的にとって決定的に重要な役割を帯びていることが強調された。つづいて、松本脩作氏(大東文化大)が現代インド関連資料の整備状況と問題点を説明した。現在は、諸研究機関の間での資料の収集や情報共有に向けた協力が十分に行われていないため、今後は研究者とライブラリアン、アーキビストの有機的な連携が求められていること等が指摘された。民博拠点の南真木人委員は、1月28日に行われたNIHU第5回人間文化情報資源共有化研究会で行われた報告の概要を紹介した。NIHU参加機構の間で統合検索システム(nihuONEシステム、2008年4月公開)が構築されていることが示された。最後に、坂井華奈子氏(アジア経済研究所)がNACSI-CATの概要を紹介し、国内の大学等の研究機関の図書館が所蔵する図書と雑誌に関する総合目録データベースであることを説明した。

その後、委員会の方針をめぐる討議へと移った。はじめに堀本委員長が、2月7日付メモ「第1回資料整備委員会(2月27日)会議資料」(以下、「原案」と略す)に基づいて、委員会の方針に関する案を提示した。つづいて、各拠点を代表する当委員会委員より、委員会の方針に関する意見や提案が報告された。報告は、東大拠点の押川委員、京大拠点の石坂事務局長、広大拠点の宇根委員、民博拠点の南委員、外語大拠点の太田委員、龍大拠点の上田委員の順で行われた。最後に、堀本委員長が当委員会としての結論を集約した。

3.個別論点および確定内容

【全体方針】

  • 最小の投入労力と資金により、最大限の成果を上げることを基本的な方針とする。
  • 現代インド関連資料(定義は後述)に関する情報の整備に取り組む。具体的な方法は今後の検討課題である。
  • 少なくとも当面の間、資料収集は行わない。他の人間文化研究機構(NIHU)地域研究推進事業(イスラーム、中国)では、拠点の1つとなっていた東洋文庫による資料収集をプロジェクト全体の成果とすることが可能であったが、本INDASにおいては、資金や収集資料の保管方法などの問題により、同様の資料収集を行うことには無理がある。
  • 情報整備に加えて、当委員会による特色ある成果として広くアピールできる何らかの具体的な取り組みを行う。取り組みの内容については今後継続して検討する。

【「資料」の定義について】

  • 対象時代:明確な線引きを行わない。したがって、インド分離独立以前の時代も含まれる。インドの分離独立後や、1990年以後、あるいは2000年以後に時代を限定する案も出たが、当委員会として当面は資料の収集を行わないことを鑑み、このような結論に合意した。ただし、将来的に当委員会として何らかの資料収集を行うことが可能になった際は、改めて検討を行う。
  • 対象地域:現代インド国家の領域に限定せず、現代インドとの関連性もあり、広く南アジアを対象とする。
  • 資料の種類:特定しない。図書や雑誌に限定せずに、新聞や仏典、民具なども含む。今回の会合では、NACSIS-CATの対象となっている図書や雑誌は資料情報の共有が進んでいるため、それら以外の資料に関する情報を整備することの重要性が複数の委員により指摘された。

【INDASウェブサイトの利用】

  • INDASウェブサイトを利用し、情報の公開を行う。来年度は、INDASウェブサイトトップページの「その他」タグに、「資料整備」の項を設ける(設置済み)。再来年度にはトップページに独立の項目を設ける。
  • ウェブサイトには、将来的に、各拠点の資料保有状況や、現代インド研究に関わるリンク集を掲載する。
  • 手始めに、堀本委員長と松本脩作氏で現代インド関連資料の現状と委員会の指針に関する文書を作成し、掲載する。

【資料情報の共有】

  • 図書や雑誌に関してはNACSIS-CATという統合されたシステムが存在するが(ただし登録されていない資料も多い)、それ以外の資料(新聞やマイクロフィルム、地図など)に関して、各機関の所有状況に関する情報は共有されていない。したがって、当委員会が現代インド地域研究に関する資料情報の整備を行うことにより、研究者が資料にアクセスしやすくなるのみならず、将来的に各機関(東洋文庫を含む)がより効率的かつ効果的な資料収集を行えることが期待される。
  • 資料情報の共有に向けた具体的取り組みのあり方については、今後継続して検討する。
  • こうした情報整備の取り組みを実際に行うためには、研究者だけでなく、ライブラリアンやアーキビストとの連携が不可欠であるが、現状では非常に困難な状況にある。東南アジア地域研究では、ライブラリアン・レベルのネットワークが存在する。米国では各図書館が分担して南アジア関連資料の収拾を行っている。そこで、インド地域研究でそのようなネットワークを構築できる可能性についても、当委員会で検討する。
  • 本格的な統合検索システムの構築を行うとなると、工学系研究者の協力や、そうした取り組みを行っている研究機関(たとえば、すでにデータベースの公開や連携を行っている民博や、多言語での情報化を進める外語大、京都大学地域研究統合情報センターなど)との連携が必要となる。
  • 原案において提案されていた、文献解題は当面行わない。

【独自の取り組み】

  • 上記資料情報の整備に加えて、当委員会の成果の「目玉」となるような、独自の取り組みを行う。内容については今後検討する。
  • 今回の委員会では、退職された研究者から資料などをもらい受けて多くの研究者の利用に供することや、いただいた写真をウェブサイト上で公開することなどのアイディアが出された。

【当面の予定】

  • 次回の委員会は、京都大学・稲森会館で11月12日(土)14:00から開催する予定。
  • それまでに、各拠点およびアジア経済研究所における現代インド関連資料(定義は上述)の保有状況について、それぞれの大まかな特色を、A4で3枚程度にまとめる。作業担当者は当委員会委員に限定されず、適当な者に依頼できる。委員以外が作業を行う場合、当委員会からの謝金を提供できる可能性がある。作業の詳細については、石坂事務局長より近日中に連絡が行われる。
  • 当委員会は、年1回程度のペースで開催する。
  • 原案において記されていた、作業体制の検討は次回以降に持ち越された。

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※ 第1回資料整備委員会(2月27日15時-18時10分)の出席者は、田辺明生INDAS総括責任者のほかは、下記の通り。
○ 委員・事務局
堀本武功委員長(京都大学拠点)、太田信宏委員(東京外国語大学拠点)、上田知亮委員(龍谷大学拠点)、宇根義己委員(広島大学拠点)、押川文子委員(東京大学拠点)、南真木人委員(国立民族博物館拠点)、石坂晋哉(INDAS資料整備委員会事務局事務局長)
○ Special Invitee
松本脩作(大東文化大)、坂井華奈子(アジア経済研究所)、溜和敏(京大拠点グループ3協力者・中央大学博士課程)、小林理修(東大博士課程)

以上

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