研究グループ2「南アジアにおける民主政治と国際関係」

本研究グループにおいては、民主政治と国際関係、および両者の関わりを次の3つの視点から分析する。

第1に、民主政治における多様な社会集団間の共存のあり方について分析する。世界でも類を見ない多様性を誇る南アジア社会において、共存は常に課題であり続けてきた。本研究においては、南アジア諸国が民主政治を展開する上で取り組んできた共存の試みを分析すると同時に共存を壊す動きにも着目し、両者のせめぎ合いのなかで共存を実現する可能性について考察する。共存と排斥という鋭く対立するダイナミズムを捉えつつ、他地域との比較分析も行いながら、平和的な発展に資する研究を行う。

第2に、グローバル化に伴う南アジア諸国内、および南アジア諸国間の格差の拡大を分析し、格差解消の方法を考察する。1990年代以降急速に進展したグローバル化は、南アジア諸国のなかで経済成長に成功した国と成功しなかった国の格差をもたらした。さらに成功した諸国でも、国内では格差の拡大が指摘されている。経済のグローバル化とその政治的帰結、さらに民主政治、国際政治による格差拡大に関する取り組みを考察することによって、貧困、格差といった南アジア世界が抱える問題を分析する。

最後に、南アジア諸国間の平和を達成するために、グローバルな国際関係のなかに南アジアを位置づけ協調の可能性について分析を行う。そのために南アジア域内の国際関係と同時に、中国、ベンガル湾・インド洋地域、東南アジア、湾岸諸国といったリージョナルな枠組み、そして日本、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、南米といったグローバルな枠組みのなかに南アジア世界を位置づけ、国際政治の構造変動のなかで南アジア世界が果たす役割を分析する。その上で、インドとパキスタンの深刻な対立を抱える南アジア世界における協調の可能性を考察する。

代表者:中溝 和弥
(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授)

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