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【KINDAS group1-A】「南アジアの長期発展径路」第1回研究会

2015年6月13日 @ 2:00 PM - 5:30 PM

【日時】2015年6月13日(土)14:00~17:30

【場所】東南アジア研究所・稲盛財団記念館2階201号室(東南亭)

【発表者】藤田幸一(京都大学東南アジア研究所)

【タイトル】「南アジアの長期発展径路にかんする研究仮説―東アジア、東南アジアの発展径路との対比を中心に」

【発表要旨】南アジアは、マディソンの長期人口推計によると、時代を遡るほど(少なくとも西暦0年まで)世界人口に占めるシェアが高く、それが第二次大戦頃まで漸減し、その後反転するという動きを示してきた。一方、東アジアは、朝鮮史家・宮嶋博史氏の「東アジア小農社会論」にしたがえば、1500年または1750年に人口シェアが最大となる「中間期人口増加型」とでも呼べる動きを示し、しかもそれは近世後期を大分水嶺とする大きな農村社会の構造変動を伴っていた。東南アジアは、坪内良博氏の「小人口世界論」によると、伝染性疾病の蔓延などに規定された小人口の世界が長らく続いた後、19世紀以降、島嶼部、続いて大陸部で人口が急増し、瞬く間に世界でも有数の人口稠密地帯となった。本報告は、気候生態的には「長い乾期をもつ熱帯または亜熱帯」にある南アジアが、その生態基盤の上にいかなる長期発展径路をたどってきたと考えられるのか、一連の仮説群を提示し、議論を喚起するのが目的である。その際、東アジアや東南アジアの発展径路と対照させつつ、考察を進める。本研究会は、上記仮説群をたたき台として、今後、南アジアの長期発展径路を最もよく特徴づけるキーワードの創出をめざすものであり、今回の研究会は、そういう冒険的旅路の記念すべき門出である。

【問い合わせ】佐藤(t.sato[at]asafas.kyoto-u.ac.jp[at]は@にかえて送信してください)

 

【概要】 藤田氏は、モンスーンアジア全体の生態環境について概説したあと、マディソンの人口推計を用いて、東アジア、東南アジアと南アジアにおける人口の長期変動パターンに違いがみられることを指摘した。古来人口の多い地域であったが次第に世界の人口シェアを下げてきたという、南アジアの人口変動の特徴がいかに生じたのかを考えるべく、古代から中世、近世に至るまでインド史を、とくに生産物の取り分権や荒蕪地開発などと関連させながらレビューした。また、「小農社会」の成立によってボズラップ理論に沿う展開を示した江戸時代の日本の人口、農業を比較しながら、20世紀以降のインド農業の停滞について、荒蕪地への外延的拡大が終わったのち、技術革新や制度適応が進まなかった結果、人口の停滞につながったという仮説を提示した。その後の議論においては、荒蕪地開発とその制限要因としての水の重要性、中世における温暖化傾向などを踏まえた自然環境の動的把握の必要性、作目の変化とその影響など、幅広い議論が活発に行われた。

詳細

日付:
2015年6月13日
時間:
2:00 PM - 5:30 PM
イベントカテゴリー:

会場

東南アジア研究所・稲盛財団記念館2階201号室(東南亭)